統合失調症やうつ病などの心の病を持つ人にとって、家庭環境(家族との関係)が強いストレスにあるか、そうでないのかということは、病状に大きく影響をおよぼします。

家族と口論や非難し合うなど敵対した関係や情緒的に結びつきの強い関係いではストレスが多く、反対に家族間にユーモアがあり、温かみのある関係はストレスの少ない居心地のよい環境と言えるでしょう。心の病を持つ人に限らず、どのような人でもストレスの少ない居心地のよい家庭環境は、心や体の健康増進につながっていくと思います。

家族関係は自分と家人との相互関係でかたちづくられています。自分が変われば相手が変わり、家族関係そのものが変わります。ギスギスした敵対関係になっていないか、いつも心配でヤキモキした関係になっていないか、お互いに、どのような状態になっているかを知ることで、関係を変える糸口になり、少しでもストレスの少ない家庭生活を送られる可能性があります。

できれば、この機会に、ユーモアと温かみのある家族関係を築いていこうと、皆さんで話し合われたらいかがでしょう。

院長 田中修一